器質性ED

従来、EDの大半が心理的要因による心因性EDと考えられていたが、EDの鑑別診断法 が進歩するにしたがい、現在はむしろ器質性EDや混合性EDが多いことが判明した。

❶陰茎性

勃起時陰茎の硬結や索状物で湾曲したり、あるいは疼痛があったりして性交ができない もので、その原因として先天性のものでは陰茎湾曲症、尿道下裂など、後天性としては原 因はまだ不明だが、陰茎に硬結ができるPeyronie病などがある。

❷神経性

勃起に関与する神経の障害の原因として、外傷(脊髄損傷、脳外傷)や手術(直腸、膀胱、 前立腺のような骨盤内臓器の悪性腫瘍に対する根治手術も神経を損傷しないように注意し て手術する神経温存手術が行われているが、原疾患が悪性のため、病気の進行具合によっ ては神経を犠牲にせざるを得ないこともある)、脳血管障害に伴う中枢神経障害、多発性硬 化症、その他糖尿病やアルコール中毒による自律神経障害などがある。

❸血管性

陰茎梅綿体へ流入する動脈系の障害による海綿体内に流入する血流量の低下をきたして EDに陥る場合が動脈性EDで、主な原因として閉塞性動脈硬化症がある。また、骨盤内手 術の際や骨盤骨折の際に動脈を損傷したり、会陰部の鈍的外傷によって内陰部動脈の閉塞 をきたすこともある。一方、陰茎海綿体から出ていく静脈系の閉鎖機構の障害によって起 こるEDを静脈性EDと呼んでいるが、これは陰茎白膜の異常(白膜組織の組成が加齢に よって変化し弾力性がなくなるなど)によるものか海綿体組織そのものの変化によるもの かまだはっきりしていない。

❹内分泌性

精巣機能低下による男性ホルモン(テストステロン)欠乏症と高プロラクチン血症が主な もので、このほか甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症の際にもEDがみられ、このような ホルモンの異常が原因のEDを内分泌性EDと呼んでいる。

先天的な精巣機能低下によるテストステロン欠乏に伴うEDもあるが、最近は加齢に伴 うテストストステロン欠乏に合併するEDが注目されてる。テストステロンが著明に低下 した高齢者にあってもなお性欲があったり、勃起がみられたりすることから、テストステ ロンは勃起に直接関与しないと考えられていたが、最近テストステロンは性中枢における モノアミン(このアミン類が勃起を促進したり抑制したりしている)の効果を発揮させるの に重要であるばかりでなく、末梢においてもテストステロンが一酸化窒素合成神経(勃起を 起こさせるのに最も重要な神経の一つ)を賦活していることが知られるようになった。実際 に加齢とともにテストステロン欠乏によるEDが増加してくるし、これら症例にテストステロンを補充するとEDが改善することもわかった。

一方、高プロラクチン血症は視床下部のドーパミン代謝を亢進させて性腺刺激ホルモン (LH – RH)分泌を抑制することで性機能に影響すると考えられている。高プロラクチン血 症で性欲の低下とEDのほかに射精障害をきたすことがある。高プロラクチン血症の原因 として下華体腫瘍、薬物などがある。

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